この記事では、
SS(スーパースポーツ)に乗りたいと考えている
SS(スーパースポーツ)に乗っているけど、自分の用途に合うか心配
と考えている方の疑問を解決します。
私が乗っていたGSX-R1000はどんなバイク?
通称”K6(※)”と言われる2006年式のGSX-R1000です。
※下記ポイント参照

【GSX-R1000(R)の呼び方】
GSX-R1000(R)は、年式によって愛称で呼ばれています。
法則は以下の通り。
2001年式 | K1 |
---|---|
2002年式 | K2 |
2003年式 | K3 |
2004年式 | K4 |
2005年式 | K5 |
2006年式 | K6 |
2007年式 | K7 |
2008年式 | K8 |
2009年式 | K9 |
2010年式 | L0 |
2011年式 | L1 |
2012年式 | L2 |
2013年式 | L3 |
2014年式 | L4 |
2015年式 | L5 |
2016年式 | L6 |
2017年式 | L7 |
2018年式 | L8 |
2019年式 | L9 |
2020年式 | M0 |
2021年式 | M1 |
この中でもK6は、2001年に発売され、2021年現在も販売されているGSX-R1000(今はGSX-R1000R)の中でも、名車と言われている今でも大人気のモデルです。
その人気の理由は、以下の通り。
・歴代最軽量である
→250ccより軽い166kg!最新のGSX-R1000R(M1)は203kg。
・排気量アップ
→988ccを999ccへボアアップ
・馬力アップ
→164馬力(K4)から178馬力へアップ
・純正チタンサイレンサーで軽量化
・フレームの剛性が秀逸(日本GPライダー談)
・デザインが凝ったものに
→デザインに大きく予算を割くようになった(プロジェクトリーダー飯尾さん談)
などなど、早く走ることに特化し、さらにデザインもイケているという点から今も語り継がれる”名車”になったわけです。
とはいえ、今から15年前のバイクですし、そもそも走りを追求したSSですので、市場には程度の良い車両があまり残っていません。
そんな中突然、走行距離10,000kmの程度の良い車両が出てきたので、即買いして所有しておりました。
GSX-R1000(K6)を所有してみた感想
いや、もう最高でしたね。
・どこから見ても惚れ惚れするスタイリング
・走ることに特化した軽量化
・圧倒的なパワー(パワーウエイトレシオが何と0.93でF1並み!)
・アクセルワークに敏感に反応するエンジン
・余計な装備(パワーモードやトラコンなど)が付いていないため、自分のライディングがもろに反映する”THEバイク感”
・SSの中では、とても運転しやすいライディングポジション
などなど、非常に満足度も高く、たまらなく所有感を満たし続けてくれたバイクでした。
GSX-R1000(K6)を売却した理由
流れるようなそれでいて筋肉質な美しいスタイル、異次元の世界へ連れて行ってくれる圧倒的なパワー、スズキの官能的なエンジンとマフラーの鼓動、どれを取ってみても、惚れ惚れするGSX-R1000でしたが、納車から半年くらいで売却することになりました。
加えて、15年前のバイクになりますが、走行距離も10,000km程度と低走行、機関すべてにおいて絶好調、塗装面も艶々しており美しい、といったように、中古車としての程度も非常に高かった車両でした。
”そのGSX-R1000をなぜ手放したのか?”
それには以下の2つの理由がありました。
1)パワーがありすぎる
2)「山道」を走りづらい
1)パワーがありすぎる
GSXシリーズは、ハヤブサの1300cc~GSX250Rの250ccまで、ラインナップが用意されていますが、中でもGSX-R1000は、レースに勝つために開発されたバイクです。
当たり前のことですが、徹底した軽量化が図られ、公道では十分に発揮できないレベルのパワーを発揮します。
そのパワーは、公道では完全に使うことは到底無理なのですが、「いつでもそのパワーを出せる」ということは、「能ある鷹は爪を隠す」ではないですが、運転していて心の余裕が違いました。
そのため、その心の余裕をもって、低回転域で運転していることに至福感すら感じたものです。
しかし、実際に乗り続けていると、GSX-R1000が本来持つ178馬力のポテンシャルと、実際自分が使用しているパワー領域との差が、従前に想像していたより乖離があることに気が付いてきました。
具体的に表現すると、私が乗っていたGSX-R1000(K6)は、タコメーターが15,000回転まであります。レッドゾーンが13,500回転です。

しかし、公道で通常走行していると3,000回転ほどで十分です。ほとんどタコメーターの針が振れないレベルですね。
広い道路で少し多めにアクセルを開けてみると、7,000回転くらいまで開けると、恐ろしい加速を体感することになります。
でも、まだレッドゾーンまで6,500回転あるので、「もっとアクセルを開けてみろ」「この上の領域を見てみたくはないか?」と、悪魔の声が囁いてくるのです。そしてそれを実行しようとする私がいます。
しかしながら、一方で、「バイクは危ない乗り物」「事故の大きさはスピードに比例する」「安全にトコトコ走りたい」と考えている私は、それ以上はリスクのことを考えると、アクセルを開けられません。
また、客観的に見ても、私が所有している以上、このGSX-R1000は、ずっと7000~15000回転までの領域は使ってもらえないことになります。その領域が、当初考えていたよりも広く、「私がこのGSX-R1000を乗っていては、あまりにももったいないのではないか?」とも考えるようになりました。
このジレンマが次第に私自身を苦しめる(そんな深刻な話ではありませんが、この表現が最も近い)ようになり、GSX-R1000を所有していることに違和感を感じるようになりました。
これがGSX-R1000を売却した1つ目の理由です。
2)山道を走りづらい
GSX-R1000を購入した際、もう一台、ヤマハのドラッグスター1100を所有していたのですが(今も所有)、このドラッグスター1100では、山道のワインディングロードを走りづらいので、GSX-R1000を購入したんですね。
で、この「山道を走りたい」という点で、私の読みが甘かったということに最近、気付いたのです。
確かにGSX-R1000を購入し、ワインディングロードは走りやすくなりました。
しかし、私が本来求めていたのは、ワインディングロードを走りたいわけではなく、私の趣味である「滝」を見に行くためのバイクでした。
この「滝」というのは、ご存じの通り、自然の産物であって、立地条件が各滝によって異なります。したがって、滝へアクセスする道路には、「山道」といっても、様々な状況の道路があり、中には林道、いやそれ以上に荒れた道路もあるわけです。
そこに行くために、GSX-R1000で向かってみたことが何度かあるのですが、やはりGSX-R1000では、荒れた道や林道を走ると、とても違和感を感じます。
そのことから、私が求めていたのは、そんな「山道」を走れるバイクが必要であったことを最近、再認識したのです。
なので、前述の1)の理由と合わせて、ジレンマを抱えるようになり、GSX-R1000を所有していることに違和感を感じるようになったのです。
まとめ
以上が、私がGSX-R1000(K6)を売却した理由になります。
正直、所有しているだけでも大満足な1台だったのですが、さすがに車庫のスペースの問題もあり、泣く泣く手放すこととなりました。
ここまで読んでいただいたあなたも、バイクを購入する時は、「カッコイイ」「憧れのバイクだから」「名車を所有したい」「人気車種だから欲しい」という動機で購入するのも良いですが、用途をしっかり考えておかないと結局、いくら良いバイクであっても、このように長く所有することなく売却してしまうことになります。
また下世話な話にもなりますが、バイクって購入時と、売却時の価格差がとても大きい商品です。短期間に購入して、売却すると、価格差が大きく出ますので損をすることが多いです。
そのため、これからバイクの購入を考えている人に、購入前に少しでも参考にしていただけたらと思い、記事にしてみました。
長く付き合える良いバイクに出会えますように・・・